デジタルマーケティング研究室

デジタル時代にふさわしい「新しい時代のマーケター」として活躍する人が増えるよう、デジタルマーケティングを中心に、マーケターにとって必要な情報を発信するブログです

インスタグラマーキャスティングの注意点や費用対効果について

インスタグラマーのキャスティングや代理店選びの注意点と費用対効果について

2大インフルエンサーと言えばユーチューバーとインスタグラマーです。

今回は、インスタグラマーについての基礎から活用に至る注意点までもを解説していきます。

この記事を読んでいただくことで、インスタグラマーについての基礎知識と、活用に当たって注意すべきポイントをつかむことができると思います。

インスタグラマーとは?

インスタグラマーとは、インフルエンサーのカテゴリーの中に含まれるものであり、Instagram内において影響力を持つユーザーのことを言います。

影響力を持つとは?

影響力を持つというのは、Instagram上で発信した内容がより多くのユーザーへ届き、その内容でユーザーの心を動かすことができる力を持つことです。

例えば、ワンピースを着こなしている写真を投稿し、それを見たユーザーがワンピースに見惚れて思わず買ってしまう、ということが起こせるユーザーには影響力がありますよね。

インスタグラマーのジャンル

インスタグラマーには、いくつかのジャンルが存在しています。

ファッション系

インスタグラマーを象徴する属性です。

Instagramのコアユーザーが20〜30代女性だということ。そして、写真メインのSNSのため、コーディネートを見て参考にするというユーザー行動がとても自然なことがこのカテゴリーを成長させたと言えそうです。

日々のコーディネートを投稿し「#今日のコーデ #プチプラ」などのハッシュタグで投稿します。

美容系

このジャンルが存在する理由もほぼファッション系と同様です。

メイクの仕方や試してみた美容用品を投稿し「#メイク #プチプラコスメ」などのハッシュタグで投稿します。

料理系

これも女性が多いという特徴と、写真メインという特徴がうまく噛み合ったカテゴリーです。

自炊したご飯や手作り弁当を投稿し「#おうちごはん #今日のお弁当」などのハッシュタグで投稿します。

ママ系

これもやはり女性ユーザーが多いことで、必然的に子育てをしているママユーザーも一定数存在しているためにカテゴリーとして表れています。

子供や子育てのライフスタイルを投稿し「#ママライフ #育児日記」などのハッシュタグで投稿します。

旅行系

旅行と言えば有名観光地や目を奪われるような絶景。そして、それを写真に収めるという行動はアナログ時代から変わりません。よって、旅行系は写真に特化したSNSならではのジャンルと言えるでしょう。

観光地や自然を投稿し「#旅行好き #トラベラー」などのハッシュタグで投稿します。

動物系

ペットを飼っている方はかなりの写真を撮りますよね。そして、SNSやLINEのアイコンにする人も多いです。これもスマホカメラ時代&写真SNSにマッチしたジャンルです。

ペットの可愛いシーンやクスっと笑えるシーンなどを投稿し「#もふもふ #ねこすたぐらむ」などのハッシュタグで投稿します。

アート系

お絵かき、キャラ弁、ネイルなどなど、絵や物作りで些細な日常の中にアートを表現しています。アカウントが作品集のようになっており、写真SNSならではのジャンルでしょう。

作った作品を「#お絵かき #イラストグラム」などのハッシュタグで投稿します。

インテリア系

ひと目見ただけで分かるお洒落な部屋や、収納アイデアなども写真とは好相性。

お洒落インテリアや100均で買った商品を使った収納アイデアを「#インテリア #インテリア雑貨」などのハッシュタグで投稿します。

有名人系

インスタならではというジャンルではありませんが、SNSに関係なく有名な方というのは、インスタのアカウントにも注目が集まりますから、影響力を持つという意味で1つのジャンルとしてもいいと思います。

日本国内で活躍する方よりも、世界規模で活躍するミュージシャン、スポーツ選手などは桁が違います

 参考データ
  • 日本国内トップの渡辺直美さんは880万フォロワー
  • ヴィッセル神戸のイニエスタ選手は2,968万フォロワー
  • クリスティアーノ・ロナウド選手は1億6632万フォロワー

 

インスタグラマーを活用したプロモーション

人の心を動かす影響力があるということは、資本主義社会ではプロモーションに活用されるのが世の常で、インスタグラマーもしっかりとこの領域に踏み込んでいます。

プロモーションの特徴

とりあえず巷で話題のインスタグラマーに頼んでみる!ではなく、広告との違い、また他のジャンルで活躍するインフルエンサーとの違いをおさえておきましょう。

メリット
  • フォローしているユーザー(=好意を抱くユーザー)からの紹介なので、ポジティブに受け入れられやすい
  • 視覚的表現センスがあるが故のインスタグラマーなので、表現クオリティの平均点が高くて安心
  • ブランディングに向いている
  • 基本的に工数が少なく手軽に実施可能
  • ユーチューバーと比較して安価で実施可能
  • 適切なハッシュタグを付けてもらうことで、ハッシュタグ検索された際にも効果がある
デメリット
  • インスタグラマーはPR案件で稼いでるということは広く知れ渡っているので、ステマ感が拭えない
  • 別のサイトへの誘導には不向きである
  • デジタル施策の割に効果の可視化がしにくい
  • インスタグラマー選定の目利きがかなり重要
  • 目利きができないとお金をドブに捨てることになる


インスタグラマーに依頼する方法

それでは、インスタグラマーにプロモーションを依頼する方法には、どのような種類があるのかを見ていきましょう。

キャスティング会社へ依頼する

古くからあるタレントのキャスティング会社も、インスタグラマーのキャスティング領域に事業を拡げていたり、既存のタレントのインスタ投稿のみを請けるケースもあります。

また、インフルエンサー専門のキャスティング会社も多く出てきています。

特徴は「楽だけど高い」
メリット
  • キャスティング会社の営業担当者に1本連絡を入れて、商材やターゲット、予算感等の希望をお伝えするだけで提案してもらえる。
  • 実施の際にもインスタグラマーとのやりとり含め、進行管理を行ってもらえるので自身のリソースに負担がかからない。
  • 事務所等にマネジメントされているような影響力が特にあるインスタグラマーに依頼ができる。
デメリット
  • キャスティング会社の工数が多い分、ディレクションフィーが高い

 

キャスティングツール・サービスを使う

Web上のキャスティングプラットフォームを介して、自ら検索し発注するサービスを活用することで、効率的に依頼をすることが可能です。

▼サービス例

特徴は「負荷もコストも並」
メリット
  • Webプラットフォームで作業をワンストップに行え大きな作業負荷はかからない
  • 価格が一律で分かりやすい
  • キャスティング会社に比べるとコストが安い
デメリット
  • まずは自身でプラットフォーム上で作業を行う必要があるため、キャスティング会社に比べ作業負荷がかかる
  • キャスティング可能なインスタグラマーはプラットフォームに依存する

 

直接キャスティングを行う

人の手を借りずに、依頼者自身で直接インスタグラマーに連絡をとってプロモーションを依頼する方法です。

特徴は「高負荷だが安上がり」
メリット
  • 中間マージンがなく、純粋にインスタグラマーのギャラのみがコストになるため、圧倒的に安く実施できる
  • 直接コミュニケーションをとることで、ニュアンスなど正確に依頼内容を伝えることができる
デメリット
  • 最適なインスタグラマーを探し、コンタクトをとり、交渉し、進行管理を行う、という一連の作業に大きな負荷がかかる
  • 事務所等にマネジメントされているインフルエンサーへの依頼をすることはできない

 

インスタグラマーのPR案件事例

それでは、実際にインスタグラマーがプロモーションした案件にはどのようなものがあるのか?投稿した様子はどういったものになっているのかをご紹介します。

ROLLY'S ROLL ICE CREAM KYOTO

 

大阪王将



LINEスマート投資


リッツベイクドチップス

 

 

インスタグラマーの費用対効果

これらのインスタグラマーを活用したプロモーションの費用対効果についてですが、オンライン上で行われる施策の割に、実に計測しにくいものとなっています。

その理由となっているのが以下の2点です。

  1. オンライン広告と違って管理画面上で数値を追うことができない
  2. リンクでサイトへ誘導することが難しい
Instagramインサイトの活用

インスタグラマーのプロモーションあるあるとして、結果報告の際に「全部で6,500いいねと、120コメントを獲得しました!」となりがちです。

それだと「で?」という切り返しに太刀打ちすることができません。

しかし、表に見える数値としては、

  • フォロワー数(最大リーチ数)
  • いいね数とコメント数(エンゲージメント数)

しかないのですが、実はInstagramには「インサイト」という機能があり、これを見ることでさらに詳細で正確な数値を得ることができます。

Instagramのインサイト画面

Instagramインサイト

より詳細なデータを見ることができるこのインサイトですが、Instagramのアカウントがビジネスアカウントである必要があり、アカウントを作ったままの個人用アカウントの状態ではインサイト機能を使うことができません。

ですので、キャスティングするインスタグラマーは、ビジネスアカウントにしている方に限定することで、施策の合計値を知ることができます。

※依頼条件に「インサイトのスクショ提出」を条件付けるなどして取得しましょう

 ポイント
インプレッションやリーチの合計値とコストの合計額から、広告指標で言うところのCPM(インプレッション1,000回あたりの価格)を出すことができますから、広告との比較をすることができます。

 

インスタグラマー選定の目利きポイント

ここまで、インスタグラマーについて解説をしてきましたが、最後にとても重要なことをお伝えします。

「インスタグラマーの施策は効果が可視化しにくい。」ということを解説してきましたが、もし正確な可視化が実現した場合は、インスタグラマーの淘汰が一気に進むと予測されます。

というのも、現在はまだまだインスタグラマー活用サイドの目利きが弱いため、効果が弱いユーザーにもPRを依頼しているケースが多々あるためです。

ここでは、目利きを鍛えるためのポイントをいくつか解説します。

戦闘力を計る

「インスタグラマー=フォロワーが多い」には誤解があります。SNSは相互フォローをすることで用意にフォロワー数を増やすことができるためです。

相互フォローとは

お互いにフォローし合うことが相互フォローです。

例えば、共通の趣味のアカウントを立て続けにフォローしていくことで、いくらかのフォローが返ってくることでフォロワーが増やせます。

また、フォロワーを無造作に増やすためだけのハッシュタグ「#相互フォロー」も存在しており、このハッシュタグを使っているユーザーは要注意です。

戦闘力の算出

フォローすればフォロワーは増えるため、

【フォロワー数−フォロー数=戦闘力】

として戦闘力を計ることで、相互フォローによるフォロワー獲得ではなく、本当にそのユーザーに魅力を感じてフォローしているユーザーが多い(戦闘力の高い)アカウントを見分けることができます。

 

エンゲージメント率を確認

戦闘力が高いアカウントを発見!でも、それだけでは真のインスタグラマーと呼ぶにはまだ早いでしょう。

エンゲージメントとは

Instagramで言うところのエンゲージメントとしては、フォロワーに対するいいねやコメントの割合を指します。

エンゲージメント率を計る

フォロワーに対するいいねの割合が10%を越えていたらインスタグラマー認定していいと考えています。

しかし、フォロワーの数が増えれば増えるほど、熱量の低いユーザーのフォローも増えエンゲージメント率は下がるため、一概には言えませんが、数万フォロワー規模のアカウントであれば10%を越えているかどうかを目安にするといいでしょう。

 

コメントをチェック

エンゲージメント率をチェックしたところで、そのままコメント欄をチェックしましょう。コメントしているユーザーは、フォロワーの中でも最も熱量の高いユーザーと言えます。

リーチできる相手の顔が浮かぶ

コメントしているユーザーのプロフィールをパラパラとチェックすることで、こういうユーザーに対してプロモーションすることができるんだな。ということが分かります。

容姿端麗な女性インスタグラマーに、女性の美容品をプロモーションしようと思っても、コメント欄を見たら男性ばかり...ということはよくあるので気をつけましょう。

コメント数も重要

コメントはInstagramのユーザーのアクションの中でも負荷のかかる作業です。

投稿に対して毎回二桁のコメントが付いているインスタグラマーは、影響力がとても高いと言えます。

 

フォロワーは買ってないか

検索すれば色々な業者が出てきますが、フォロワーは買うことができます。

そして、買ったフォロワーというのは、売るためだけに作られたアカウントなので、生身の人間ではなく空っぽのアカウントです。

買ったフォロワーは動かない

空っぽのアカウントは誰が操作するわけでもないため、そこからいいねが付くことはありません。エンゲージメント率が低い場合は買ったフォロワーが混ざっているケースがあります。

買ったフォロワーの見分け方

購入できるフォロワーのアカウントはだいたい外国人アカウントです。

インスタグラマーのフォロワー一覧をスワイプしていき、外国人が多くいる場合は購入アカウントである可能性があります。

また、そういったアカウントは

  • 何も投稿していない
  • 非公開アカウント
  • 意味の分からない画像が投稿されている

という特徴があるので、見分ける際の参考にしてください。

 

いいねやコメントを買ってないか

なんとフォロワーだけではなく、いいねやコメントまで買うことができるのです。

ここまでチェックしてみて、フォロワーも数万人いるし、エンゲージメント率も10%越えてる。ということが分かったら、最後のチェックポイントと言ってもいいかもしれません。

いいねをチェック

いいねしているアカウントをざーっと見ていきます。

いいねに外国人アカウントが多くないかチェックし、多い場合はいいねを買っている可能性が浮上します。

コメントチェック

コメントはさすがに日本語でのコメントを買っていると思うので、コメントしているいくつかのアカウントをランダムでチェックします。

何も投稿していない、意味の分からない画像をいくつか投稿している、とういようなアカウントからコメントがある場合はコメント購入疑惑が浮上します。

 

真のインスタグラマーへ

面倒なステップと感じる方もいたと思いますが、せっかくお金を払って依頼するわけですから、しっかり効果の出る方へ依頼をしたいですよね。

このあたりは、Web広告でbotがアクセスするアドフラウドと似た空気感を感じます。

最後に

ここまで解説してきましたが、依頼主の皆様にはインスタグラマー選定の目利き力を高めていただけるとこの記事を書いたかいがあります。

逆を言うと、インスタグラマーと呼ばれる方の中には、見かけだけ上手いこと取り繕って収入を得ている方が多くいることは事実だと言っていいかと思います。

売上:インスタグラマーとしてのギャラ

コスト:フォロワー購入、いいね購入、コメント購入

これで利益を出していけば、お小遣い稼ぎが成り立ちますよね。